遺族年金~内縁の配偶者も請求権者となりうる~

◆遺族厚生年金を受けられる遺族

サラリーマン(だった)の夫が亡くなった場合、残された遺族に支給される可能性がある遺族厚生年金。

遺族厚生年金が支給される要件はいくつかありますが、遺族年金を受けられる「遺族」とは、一般的に以下のように定められています。

⇒死亡した人に生計を維持されていた配偶者、子、父母、孫または祖父母。

※もっとも、妻以外には以下の条件あり。

①夫、父母、祖父母⇒死亡したとき55歳以上であること。受給開始は60歳から。
(夫については何点か例外有)

②子、孫⇒死亡したときに18歳到達年度の末日までの間にあるとき。または20歳未満で1級または2級の障害の状態にあるとき

◆「配偶者」には内縁の夫・妻が含まれる

遺族のうちの「配偶者」には、法律上の夫・妻だけでなく、事実婚の夫・妻も含まれるのが特徴的です。

今の世の中においては夫婦の形は様々であり、籍を入れないけれども社会通念上夫婦の共同生活と認められる方々もいらっしゃいます。

愛の形は人それぞれですので、その思いを尊重してあげることも重要です。

◆生計維持・生計同一の証明に困難が伴う

もっとも、内縁関係であるが故、遺族年金請求の際には内縁関係の証明に困難さがみられます。

通常、遺族年金の請求の際には、死亡した方との生計維持関係を証明するために、戸籍謄抄本、住民票、請求者の所得証明等を添付します。

法律上の配偶者については、それほど困難ではありません。

しかし、内縁の配偶者となりますと、それらにかわる資料等によって立証しなければならないのです。

関係資料から生計維持関係が証明されないと、遺族年金不支給の結果となってしまうので、遺族年金請求には慎重さが必要です。

どのような資料を揃えるのか、社労士の腕の見せ所ですね。
 

社会保険労務士・行政書士 新井

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